第35回日本小児整形外科学会学術集会

会長挨拶

第35回日本小児整形外科学会学術集会
会長 髙村 和幸

福岡市立こども病院

第35回日本小児整形外科学会学術集会開催にあたって

 この度、第35回日本小児整形外科学会学術集会の会長を仰せつかり、2024年12月13日(金)・14日(土)に、福岡国際会議場において開催することになりました。本学術集会は2006年に当院の藤井敏男副院長が第17回を主催され、当院が担当するのは2回目になります。また福岡での開催は九州大学の岩本幸英教授が2012年に第23回を開催されて以来となり12年ぶりになります。

 日本小児整形外科学会は各地域で設立されていた小児整形外科の研究会や懇話会が集まり、小児整形外科学の進歩発展を図り、学術の振興と小児の健康および福祉増進に寄与することを目的に設立され、1990年11月に第1回学術集会が東京で開催されました。現在は約1200名の会員が所属し、それぞれの診療現場で活躍されています。

 整形外科の原語となったOrthopaedicsという言葉は ”こどもを直す” というギリシア語を起源にできたにもかかわらず、少子化による子供の減少や高齢化による変性疾患の増加により小児整形外科の領域は相対的に縮小傾向にあります。しかしながら患児や養育者の治療に対する要望は強く、専門的な知識と技術が必要になります。発育途上の小児では成長による病状の変化や治療の影響を必ず考慮しなければなりません。診療器具や材料の発達、手術手技の改良、麻酔の進歩によって整形外科治療も大きく変化しました。治療方法が変化してきた疾患の長期的な予後も検討できるようになってきています。本学会では色々な疾患の長期的な予後の検討を行ってみたいと思います。

 2024年度から始まる日本小児整形外科学会による小児整形外科認定医制度は、小児にたいする整形外科医の知識のさらなる向上が期待され、小児整形外科医の育成にも大きく寄与するものと思われます。また子どもたちを診療するにあたり、小児科からの整形外科への期待や要望なども取り上げ、小児整形外科医としてのアイデンティティーを形成することも重要と考えています。

 いろいろな方向から小児疾患を診療し、成長終了後の状況を考えながら時期に応じ、こどもたちによりそった診療をめざしてご参加の皆様の活発なご討論を期待しています。12月に入り福岡も少し寒くなると思いますが、有意義な集まりになるように多くの先生方にご参加いただければ幸いです。

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